Oculus rift のイベントに参加して。2

その1のつづき

 ※10/13一部訂正

だから何でこんな怪しい場所知ってるの?

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数年前まで通ってた地域だけどこんな建物の存在知らなかったよ?

構えも怪しければ中のテナントも~組としか書いてない機能してるんだか怪しい部屋ばっかり(休日なんだから人居なくて当然なんだが) コワイ。

こちらのイベントでは時間帯が良かったのか、多く回れた上に開発者の方と話す時間が得られて大変よろしかった。面を合わせると得られる情報が多い。

Oculusはその没入体験具合から、各種インターフェイスに工夫のし甲斐がある。Oculus本体のトラッキングに加えKinectセンサーの貢献が大きいわけだが、ここで目立ったのは往年の作ったはいいがいまいち後続がなかったおもしろ専用コントローラー各種であった。往年の名機コン勢揃いといった感じでちょっとした見本市ではあったのだが、開発者の皆様からすれば「観測範囲の半数は所持している普及機」だそうだ。

 

@kei_tohgu様

Live for Speed

レーシングシュミレーター

サーキットコースを車で走るだけで、アセットが結構揃っている故に完成度の割には開発工数はかかっていないとのこと。とはいえ得られる体験のインパクトは大きかった。

HMD対応ゲームとして無料版がDLでき、今回はハードウェアの最適化とセッテイングのみ行った為工数が掛かっていないとのこと。車種やコースも選べるようですね。

※10/13訂正(izm様、kei_tohgu様、ご指摘ありがとうございます。)

 

座椅子とハンドル&ペダルコントローラーに触れ、シートから眺める景色は自動車所持者なら違和感なく操作に入れる。実際にピットからコースに入るときは高速道路のICのような感覚で自然に行えた。(解像度の関係でメーター各種が読み取りにくいのは仕方ない)

ただ、自分のようなレースゲーム苦手な人は(なんで来たんだよ)カーブに入ると制動が効かずにクラッシュしてしまう。これはおそらく、コースのRに対して危険な速度というものが感覚として伝わらないので(メーターが読みにくいし気を遣う余裕が無い)つい速度を出しすぎてしまうからだと思われる。一応、ハンドルの硬さとかでフィードバックできるらしいけど、わからんかった。実際の運転ではスリップするような速度は出さないし、ゲームの中ではレースのようなテクニックを使うことを前提としたマシン設定になっていることのギャップが埋められていないのだろう。これを解決する手段としてパッと思いつくのはおそらく効果音で、スポーティーな速度になったときエンジン音がヤバイ感じになれば「初体験の人は安全運転でどうぞ」の基準が伝わりやすいんじゃないのかなと素人意見。

とりあえず滅茶苦茶酔いました。超楽しかったです。

 

@kaduma2010様(オペレーター:@Kanipon様)

ミクさんとドリンクが飲めます☆

ミクさんと恋人ドリンク。人生で初めてだよ、コップにストロー2つ入れるやつやったの。開発者様本当にありがとう。最後上空へ去っていくミクさんはまさに天女でした。

ブースへお邪魔した頃には西日が指していてKinectの認識がうまく行ってなかったのはご愛嬌。開発以外に展示会場仕様というノウハウについて考えさせられました。

内容はミクさんとテーブルに同席してイチャイチャするだけなんですが、眼前に迫る電子の妖精のインパクトは大きく、強烈な魅力にときめかされます。一方で「バストアップ」や「枠内の一枚絵」に慣れ親しんだ身としましてはミクさんの全体像が把握しづらく、普段見るMMDの細やかなモデル意匠やモーションについての魅力は感じられませんでした。もう少しカメラを引いたところが「普段の私達」が認知している世界なんだと思うと少し泣けてきます。

よく、腐女子の方々に多いと思われますが「キャラ同士がただいちゃついてる部屋のシミになりたい」とかいう文言を聞きますが、そういう需要もあるのではないかと思われます。テーブルで見つめ合うカプを透明人間になって眺めるだけのソフト。業が深い。未来の3Dホロキネマとしてはそういう形になるんだと思います。

 

@ta28jp

Oculus Shot

アクションシューティング

3Dダンジョンマップみたいな通路(一本道ですが)を移動・ジャンプ・ショットを使いモブメカを倒しながらゴールへ向かうゲーム。ショットの照準がヘッドトラッキングなので向いた方向に弾が飛ぶ仕組み。ロックオン補助とかはしてくれないんだけど、トラッキングの応答速度がいいのであまり違和感なく狙えます。説明文を見た時は失礼ながらショボそうと思っていたのですが、実際にやってみるとこのヘッドトラッキング照準が気持ちいい。ただ瞳孔の動きを検知するシステムをこの小さなハードに仕込めるようになるにはまだまだ先と思われるので、フリーダムガンダムみたいなマルチロックオンを体験するには補助システムに工夫がいりそうかな。

ルート上に急降下するポイントがあるんだけど、そこは是非とも足元と頭上を眺めてもらいたいですね。簡素なマップでもその体験は爽快というしかなかった。

またしても滅茶苦茶酔いました。超楽しかったです。

 

@ryutosouma

tunetuneOppai

いつでも触れるOppai体験


ヘンタイに技術力を与えた結果…… 仮想世界でおっぱいをもんでみた人、ついに登場 - ねとらぼ

目玉展示その1

等身大おっぱいマウスパッドを使用してVRに苦手な触感を体験しようというもの。おっぱいの触り方で童貞か素人童貞かがバレるという恐ろしい展示物。

○ここがすごい

・おっぱいの弾力が素晴らしい(元製品の良さ

・水着ブラジャーに圧力センサーを仕込み、接触位置により異なる反応を用意している

・水着の質感によりマウスパッドの触感≠人肌という課題を技術的かつフェティッシュに解決している

・指向性マイクにより、ヘッドフォン装着という肉体への違和感を可能な限り排除し、没入感を向上。かつ展示会場において他のスペースへの邪魔をしない工夫

Kinectセンサーによりプレイヤー位置を認識。おっぱいやくびれを「回りこんで」鑑賞できる

・やりすぎるとご褒美が貰える

最後のは意外と大事で、限られた時間内で客層を回すには「ここまでが体験版です」とひと区切りつけないと突然投げ出された感じになる。体験性を重視した作りの作品でも「クリア/ゲームオーバー」を用意する工夫はこういう会場では意味を持つのだろう。見ていた限りご褒美を貰ったプレイヤー全員がきっちりとのけぞりアクションを取っていたので、やはり幻覚は触覚に勝る。

▲残念だったところ

・乳首判定がない

・腰に抱きつけない

以上。

 

 

@izm様

VR-MechSim

鉄騎コントローラーで二足歩行ロボを操作!


鉄騎コントローラを使ってロボットを操縦して戦うOculusコンテンツを作った - izm_11's blog

目玉展示その2

開発者視点では日本人の半数が所持しているという鉄騎コンを使用したロボットアクションゲーム。

VR酔いしないでロボっぽさを出すという開発理念が明確に打ち出されており、実際にそのコンセプトが感じられる設計になっていた。ゲームの説明と設計思想は開発者様のサイトでわかりやすく書かれているのでこちらでは感想だけ。

・相変わらずメーターが読めない(読み取るゲージは特にないしコックピットの雰囲気はあるんだけど)

・ロボットゲーやる人とFPS系やる人でプレイスタイルが如実に差が出るそうだけど、どっちも苦手な自分は(だからなんで来たんだよ)止まって撃つしかなかった。カッコ悪いけどそれでも十分楽しい。

・他展示と比べて要素項目が多いので説明しすぎて開発者様の喉が死んでた。

・搭乗者モデルが「あいえるたん」でカワイイヤッター!

そうです、自分のボディが可憐なMMDモデルになるのです。kinectでプレイヤーの人体ポーンを読み込み、oculusで反映させた映像を出しています。結構精度も良いです。コックピット内で下を向くと「慎ましやかな胸元」が確認できます。うっひょー。

 

総括

ゲームモニタとしては本当に革命で新しい時代が来ていることを実感を伴って体験出来ました。(バーチャルボーイは据え置き機)

特に体感重視の専用コントローラーとの相性は抜群で、ファミコンを原型とするコントローラーによるプレイスタイルのあり方も大きく変わってくるでしょう。タッチパネルも大きな飛躍でしたが今回受け取った感覚は別次元です。中古ゲームショップではVR技術者による各種専用コンの買い占めが起こることが予想されますので買うのも売るのも相場が変わる前に動くほうが良いと思われます。(売れるよね?)

また、個人的に気になった技術としては人体モデルをユーザーに貼り付けるVR/AR変身技術があります。アバターとしてVR空間を闊歩するのも楽しそうですが、同期ズレやモデル破綻の問題が解決できなかったとしてもスタンドとして背後に立たせたりモビルトレースシステムみたいな真似事はおそらく直ぐに実行できるでしょう。oculusの台数を増やしてAR空間を共有できれば「スタンドはスタンド使いにしか見えない」ごっことして壇上プレイヤーの鑑賞もできますし、決め台詞とポーズの美しさから技の威力が決まるスタイリッシュバトルゲームみたいな思いつきも湧いてきます。
デッサン人形のポーズからポーンを読み込ませて武装神姫ごっことかできるかもしれません。マネキンだとつまらないのならポーズを変更させた時だけ反応して、普段は胴体重心と頭部位置だけトレースさせて手足の動きはある程度組み込み動作にさせれば自然に見えるかもしれません。
このように次々と湧いてくる妄想をいち早く実現すべく開発者の皆様は己の技を磨きあげていて、大変活気づいて見える界隈でした。

不安

ほぼ既存の技術を組み合わせるだけでも可能性に満ちあふれている一方で、個人が消化できる開発工数には限界があります。
現状、特に日本ではイノベーターの皆様が新しいおもちゃを手に入れたと盛り上がっていますがそれらは殆どが個人で、チームとして高次元な完成度を目指して動いている人はそれほど多く居ないとみられます。優秀な個々人が部分最適を果たして成長をしているのが実態ではないでしょうか。また、開発者の多くはプログラマーであり、モデラー・音響・カメラ演出・ハードでの電子工作・声優・コスプレ売り子など他分野を専門に持つ人材が必要と感じていることかと思われます。
思いつく機能を全て実装するには莫大な工数を効率よく消化できる高度なスキルと十分に管理された人月が必要ですが、アーリーアダプターが食いつくに値する(現在は稚魚が育つのを待っている期間でしょう)完成度を持った作品を作るための環境がおそらくまだありません。力をつけた個人が協力しあう場が今後形成されていくのでしょう。現に技術の共有は積極的になされているようです。これも部分最適なノウハウが目立っては居るようですが…
逆にゲーム会社なんかは同じく興味はあるものの、ハードが完成していないからと市場の開拓先が見えておらずに躊躇している感じもします。イノベーターの皆様には是非ともこの膠着から出し抜いて、大きな評判を勝ち得る成果物を生み出して欲しいですね。そしてトロフィーワイフコスプレ売り子さんと仲良くなれるという夢を実現して欲しい。
まぁ、マインクラフトの開発者よろしく、マジョリティが手を出すほど普及している頃には新しいおもちゃに興味が移っている人種だとは思うのですが。
いや、どうにも商売っ気のある人や音頭取る人が少なく見えるので。愛すべきテックの使徒たる皆様がガラパゴスに陥らないことを願います。次のおもちゃで遊ぶときにより良いイノベーションを生み出せる環境を、具体的に言うと資金を、現在の市場から正当に受益できるポジションを通って行ってほしいものです。